こうかの雑記

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昔の懐かしいこと、ubuntuのこと、その他いろいろ

懐かしい書道道具と筆ペン

懐かしいもの

 とても懐かしい物を見つけました。結婚後の引っ越し時にどこかに仕舞い込んで以後、初めて見たのではないかと思います。 f:id:koukaforest:20200308153207j:plain  小さな硯、ボールペンほどの長さの細筆、そして小さな墨が入っています。

 私が書道コンクールか何かで入選した時の賞品だったと思います。入選したといっても小学生の頃の話なので大して上手だった訳ではないと思います。中学に進んでからは書道教室に通わなくなり、練習しない内にすっかり書けなくなりました。以来、ペンでも綺麗に書くことが出来なくて、仕方なく見やすい字を書くようにだけ心がけてきました。それもやがてペンではなくキーボードばかりになってしまい、たまに書く字はその見やすささえも怪しくなっています。

 このセットは書道教室に通うのをやめてから数回だけ使ったと思いますが、既に腕は落ちていて(元々大したこと無いですが)思うように書けなかったように記憶しています。

 貰ってから50年ほど過ぎた今、目の前に現れたのには何か思うものがあります。というのは、昨年末に何気に筆ペンを買って筆の練習を始めたところなのです。なにかしら出来すぎているような話ですが。

筆ペン

 今、使っている筆ペンはコンビニやスーパー等のどこにでも売られているぺんてる筆<中字>です。 f:id:koukaforest:20200308171251j:plain  筆ペンと言えども実は自信がなかったのですが、それなのに本物の筆に近いナイロン繊維の穂先を持つペンを選びました。以前ならば選ばなかったと思いますが、安いものですから。買う時は慣れられるか心配でしたが、今はこれで良かったと思います。

 この筆ペンの穂先はとても良い感触です。ひっかかりもなく、払いやハネ、タメが面白く感じます。筆ペンって随分進化したのだなぁと思います。本物に近いからこそ面白いと感じものがあるのだと思います。
 墨を磨らなくても良い、穂先が毛質の筆より扱いやすい、穂先の滑りも良い、いつでも始められる。

 でも一つだけ欠点があります。暫く書いていると穂先が割れてくることが有ります。その前に胴部分を握りインクを穂先に送ることを忘れなければ防げます。私はコピー用紙で練習していたのですが、気のせいかコピー用紙だと割れやすい様に思います。なので今は使わなくなったノートを使っています。墨の吸い方が違うのかも知れません。

 もし穂先が割れてしまって、綺麗に書けなくなった場合は、70〜80度のお湯に付けると直すことが出来ます。この70〜80度位のお湯というのはお湯を沸かしはじめてから、周囲に小さな気泡が現れ出した頃の温度だそうです。私も2度ほど、この方法で直しました。これをすると暫く墨が薄くなってしまいます。今は穂先に注意し、割れるそうになるとインクを穂先に送り込む動作をして少し休むようにしています。

 多分、この次買うのもこの筆ペンだと思います。

道教

 この記事を書いていて、50年前の書道教室の事を少しだけ書いてみたくなりました。

 私が通っていた教室は国鉄の電車で一駅先にあった個人のお宅です。(今のJRでいうと間に2駅増えています) 最初の1年は姉に連れられて週一で通っていました。 何故そんな遠い所へと言うことなのですが、指導が厳しいという評判でもあったのだと思います。どのように厳しいかというと、墨汁の使用は禁止、筆は上の方を持たなければならない(ペンのような持ち方はダメ)、細筆は使用禁止、といったところです。 別に躾が厳しいという訳ではありませんでしたし、子どもの私はそういうものだと普通に受け入れていました。

 教室に着いて先生が来られるまでの暫くは墨を磨って過ごします。
 筆の上の方を持って書くのは、最初はとても難しかったと思います。ひたすら線を引く練習だったような気がします。
 半紙に自分の名前を書く時、普通は細筆を使うのが一般的だと思いますが、名前も太字で書かされました。最初は字になりませんでした。

 今思うとこれが書に臨む前の気持ちを整えるのと、筆を使いこなす為に必要なコツを身につける方法だったのだと思います。
 しかし、筆ペンになると墨の濃淡なんて関係ないですし、大きな字を書くことはないので太字の筆も必要ないですね。
 でも、教え込まれた様に筆の上の方を持ってスマートに書けるように、いつの日にかなりたいものです。

 今、筆ペンでやっていることは書道ではなく習字の範疇だと思います。まだ始めたばかりで「ひらがな」からじっくり練習して慣れていきたいと考えています。

 最後に、今回出てきた懐かしい書道セットの筆ですが、カチカチに固まっていたのでお湯で戻せるか試してみましたが、だめでした。お湯でほぐしている間に毛の部分が取れてしまいました。でも、いつか筆ペンに上達したら本物の筆に挑戦してみたいものです。